●Kazさんのページ

「英語よもやま話」2002年
ここには、読者の皆様との交流の場でもある巻頭序言を集めてあります。

●2002年7月前半 【鮨ネタの英語】
 先月Shigeさんと鮨屋で酒を飲んでいた時の話。
その時季はハモが旬で、丁寧に骨切りして湯通ししたハモに梅肉をつけて、冷えた日本酒でグッと胃袋に送り込む時「日本に生まれてよかった!」 とつくづく実感した私だった。(=大袈裟な!)
 ところで鮨ネタをいくつ英語で言えますか?
鱧(ハモ)は sharp-teeth eel, 穴子は conger eel, いずれも鰻(うなぎ)eelに形が似ているからでしょう。
シャコは冗談でgarage(車庫)と云う人がいますが、正しくはmantis shrimpで(カマキリ)mantisに似ているからです。
「ハマチはハウマッチ?イクラはいくら?」などとおやじギャグを飛ばして板前に睨まれた私ですが、ハマチはyellowtail, イクラはsalmon roeです。
●2002年7月後半 【ジョークの効用】
 最近読んだ「英語ジョークの教科書」(丸山孝男著:大修館)にジョークの効用について次のように書かれていました。
『ジョークには様々な機能があるが、最大の機能はコミュニケーションの潤滑油としての効用であろう。特に会話の端々にジョークをはさみ込めば、話し相手との距離がいとも簡単に縮まるのである』 私も全くその通りだと思います。
 バートランド・ラッセルはこう言っています。
Laughter is the most inexpensive and most effective wonder drug.
Laughter is a universal medicine.
笑いは最も安く、最も効き目のある特効薬である。
笑いは世界共通の薬である。
●2002年8月前半 【英語の面白い表現の語源】
 英語の面白い表現の語源を調べると、なるほどと肯かされることがあります。
 例えばなぜ新婚旅行のことをhoneymoonと言うのでしょうか?
今から4000年前のバビロニアでは、新婦の父親が義理の息子になった新郎を新しい家族として歓迎するため、ミード(mead)と呼ばれる蜂蜜でつくった酒を挙式後一ヶ月間与えることが習慣となっていました。
当時のバビロニアの暦は太陰暦で月の満ち欠けを一ヶ月としていましたから、この新婚期間がHoney-Moonと呼ばれていたわけです。
 Mind P's and Q's (言行に気をつけろ)という面白い言い方は、イギリスのパブでビール(ale)を注文する時はPint(パイント=0,5?)かQuart(クオート=1?)で頼むことが語源になっています。
お客が飲み過ぎて他の客に絡んだり乱暴したりするとバーテンダーが"Mind your own pints and quarts and settle down!"(自分の飲んだ量を考えておとなしくしていろ!)と客に怒鳴ったからです。
●2002年9月 【いろは歌の英訳】
 「色は匂へと 散りぬるを 我か世誰そ 常ならむ 憂の奥山 けふ越えて 浅き夢見し 酔ひもせす」
有名ないろは歌にはすべての仮名が一度ずつ使われ、しかも和歌として奥深い意味を持っています。
花の匂いもやがては散り去る花びらとともに消えるように、人の一生もはかないもので誰でもいつかは老いて死ぬものである」という上の句は般若心経の有名な「色即是空。空即色是」を思い起こします。
 色(森羅万象)は空(変化し)、空(変化 )が即ち色(森羅万象)である。
つまりすべてのものごとは必ず変化するということで、「無常」ということは決してニヒリスティック(虚無的)な意味ではないと、以前偉いお坊さんから聞いたことがあります。
この「いろは歌」の英訳は下記の通りです。
いろは にほへと ちりぬるを Through fragrant, these flowers shall die soon.
わかよ たれそ つねならむ Who could remain unchanged in this world?
うゐの おくやま けふこえて We cross the mountain of vicissitude today.
あさき ゆめみし ゑひもせす Life like a light dream intoxicates us no more.
●2002年10月前半 【寅さんの口上を英語で】
 前回「いろは歌」の英訳を紹介したところ、読者の一人であるSHOJIさんから次の様なお便りをいただきました。
「Kazさん、ちょっぴりエッチなジョークを毎回楽しみにしています。ところで、私は寅さんシリーズ映画の大フアンですが、寅さんのお馴染みのあの口上を英語で言うとどうなるんでしょうか?」
『英語版:男はつらいよ』 (山田洋次/ウイリアム・ロス:語学春秋社)には以下の様に訳されていました。
わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎 、人呼んでフーテンの寅と発(ほっ)します。
I was born and brought up in Shibamata, Katsushika, and I was blessed at Taishaku Temple.
Kuruma is my family name and my given name is Torajiro.
But people usually call me Tora, Tora the street peddler.
 因みに『男はつらいよ』は『It's tough being a man』と言うそうです。
●2002年10月後半 【映画のタイトル翻訳】
 前回映画『寅さんシリーズ』の話をしましたが、映画のタイトル翻訳は関係者苦労されているようです。
洋画のタイトルそのままだとただのカタカナ羅列になるし、邦画のタイトル直訳だと外国人にはさっぱり分からないしということで いかに短くメッセージ(イメージ)を伝えるかとことがポイントのようです。
前者の例として007シリーズが初めて日本で公開された時、『Dr. No』が もともとのタイトルでしたが、『ドクターノー』ではイアン・フレミングの原作を読んでいない人にはさっぱりわからないので、『007は殺しの番号』というタイトルをつけたそうです。
確かに予備知識なしでもこの方が興味をそそられますね。
 後者の例として黒沢明の『七人の侍』は『The Seven Samurai』、伊丹十三の 『マルサの女』は『A Taxing Woman』とそのままですが、篠田正浩の『瀬戸内少年 野球団』は『MacArther's Children』と意訳されています。
『マッカーサーの子供達』というタイトルは外国人に【第二次大戦後の日本占領、民主主義の落とし子】というイメージを与えやすいからだと思います。
直訳の『A kids' baseball team from the Setonaikai』からでは上記のメッセージは全く伝わって来ません。

●2002年11月後半 【ワインと映画】
 30年ぶりに見た「007ダイヤモンドは永遠に」(1971年、主演ショーンコネリー)のビデオで、面白いシーンに気付きました。
ジェームズ・ボンド(007)を殺そうとする二人組の殺し屋がソムリエと給仕に扮し、美女と一緒に豪華船でルームサービスの特別料理を食べる場面に登場します。
 殺し屋が「1955年のシャトー・ムートン・ ロートシルト、逸品です」と勧めますが、この偽ソムリエ、極上ワインなのにソムリエナイフではなく素人が使いやすいエアポンプのコルク抜きを使い、しかもアフターシェーブローションの匂いをプンプンさせています。(=香りが大切なワインを注ぐソ ムリエは整髪料やオーデコロンは絶対使わない)
怪しいと思ったボンドがこうカマをかけます。
「ワインは最高だ。しかしこの料理にはクラレット(Claret)の方が合う」
偽ソムリエはこう答えます。「いかにも。けれどあいにく当船にはクラレットがなくて・・・。」
ここでボンドが敵の正体を見破り「ムートン・ロットシールトはクラレットだ!」と言って、乱闘シーンになります。
このClaretはフランス語のClairet(明るい)を英語風に読んだもので、イギリス英語では「ボルドー産の赤ワイン」を指す時に使う単語で、ソムリエならこの意味がわからないということは有り得ないからです。
イギリスの諜報部員ジェームズ・ボンドならではの台詞でした。
 注:シャトー・ムートン・ロートシルトは、毎年異なった有名画家が描いたラベルで出荷するボルドーのトップクラスの赤ワインとして有名です。

●2002年12月後半 【ワイン評価に関する英語】
 前回ワインと映画についてお話しましたが、ワイン好き読者の<じゅんこ>さんから、ワイン評価に関する英語を教えて欲しいというお便りをいただきました。 では基本的な表現をご紹介します。
1・味 甘口である sweet, sugary
渋い bitter, harsh
辛口である dry
酸っぱい sour, acid
2・香り 香り高い fragrant
花の香りがする flowery
ほれぼれするような香り delightful bouquet (aroma)
個性的な香り distinctive nose
樽香が感じられる a discernible touch of oak
3・バランス さっぱりした fruity
スッキリした clean, pleasing
しなやかな supple
どっしりした robust(重厚な赤ワインを表現する時)
こくのある full-body
よく熟成された mellowed
味が衰え始めた faded


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